アンナ・オズシャルロット・ゲンズブール主演
1996年の作品。
以前に「二人のベロニカ」という映画を紹介しましたが、あの作品は世の中には自分と瓜二つの人間がいて、
相手と自分は同じ道を歩んでいるという、悲しくも幻想的な映画でしたが
この「アンナ・オズ」は、それに似ているようで似ていない、怖い作品です。
一人のアンナはパリで、
もう一人のアンナはベニスで生活をしています。
ただ、片方はお互いに夢の中の自分。
自分が寝ている時に片方の自分は活動をしていて、
その様子をこちらの自分は夢で見ている。
そして向こうの自分が徐々に
こちら側の自分をむしばんできます。
それに気付いた自分は
試行錯誤を重ね、
片方の自分を消し去ろうとしますが…
といったお話です。
当時、この作品に対して良い評論は無かったように記憶していますが
内容云々はさておき、
まず、シャルロット・ゲンズブールが主演ということ。
それからこの映画、特にベニスでのシーン、
部屋の内装・家具にいたるまで深い赤で統一しており
なんともゴシックで幻想的。
この映画を観て、自分の部屋も赤で統一しようかと思ったくらいです。
そういった視点で観れば損はない作品です。
シャルロット・ゲンズブール(Charlotte Gainsbourg)の記事はこちら
そういえばこの映画は
今は無き、シネ・ヴィヴァン六本木まではるばる観にいきました。
はるばる、というほどでもないのですが、まだ大江戸線も無かった時で、
中央線沿いの私としては新宿まで出て山手線に乗って
恵比寿から日比谷線に乗り換えて、というコースを
辿っていたので、六本木へ出るということは、ちょっと面倒なことでした。
シネ・ヴィヴァン六本木があった場所には現在、
六本木ヒルズがドカンとそびえ建っているわけなのですが
ちょっと思い出してしみじみしてしまいました。