映画 エディット・ピアフ~愛の讃歌~


エディット・ピアフ~愛の讃歌~ (2枚組)


エディット・ピアフの一生を描いた映画です。

本当に、波乱万丈とは彼女のためにあるような言葉で、いえ、アーティストには概ね当てはまる言葉ですよね。

ただ、彼女の歌が、歌声が、歌詞が、音楽が
あまりにドラマチックで、彼女の人生に重なります。
シャンソンというのは、本当に、人生の一部を、または全てを歌うものだと思っています。
だからこそ若いうちはシャンソンの良さがわからない。
それでも、人生を、経験を重ねていくうちに

思い通りにはいかないこと、

喜びまたは悲しみ、後悔すること、

手に入れたもの、失ったもの、

出会う人、去る人、

消せない思い出、

それらが蓄積されていき
そうしていくうちに、シャンソンの良さが、
「良さ」という言葉では軽すぎますね、
シャンソンそのものが心に染み入って自分の一部になるのです。

エディット・ピアフを知らない方は
先にこの映画か、または先にCDか、
どちらがいいのか分かりませんが、
少しのシーンでも字幕を観ながら聴ける映画の方が
歌詞の意味がすんなり入りますし
彼女の人生と歌のかかわりなども分かりやすいのでいいのではないでしょうか。

ただ、彼女から歌を取ってしまうと、
お世辞にもいい人間とは言い難く、
その点が勘にさわるかもしれません。w
でもアーティストとは多かれ少なかれそういったものではないでしょうか。
彼女の「人間」というより「人生」を、「歌」を観ていただきたいと思います。

主演のマリオン・コティヤールは、素顔は本当に可愛らしい女性なのですが
ああも見事に難癖あるエディット・ピアフを晩年まで演じ、
その演技力たるや素晴らしいものだと感心せざると得ません。

脇役のジェラール・ドパリュデューも贅沢!

ちなみに、マリオン・コティヤールは、当作品で
第80回アカデミー賞主演女優賞も受賞し、
アカデミー賞の演技部門では
シモーヌ・シニョレに続いて史上2人目の快挙だそうです!

ブラボー!