
ベティ・ブルー インテグラル 完全版(ノーカット完全版)
ジャン=ジャック・ベネックス(Jean-Jacques Beineix)監督、
ベアトリス・ダル(Béatrice Dalle)、
ジャン=ユーグ・アングラード(Jean-Hugues Anglade)共演の
激情恋愛映画。
破滅に向かう恋愛映画はフランスには多いのですが
これは観終わった後に、深いため息と長い余韻がずっと残ります。
残酷な運命と本能そのままの純粋さがそこにありました。
感情むき出しのベティ、小説家の卵ゾルグ、
ゾルグを愛するあまり、二人の理想を追い求めたあまり
それがひとつづつ、叶わないと気付いた時、崩れていった時
ベティの心もまた崩れていきます。
そしてどうにか彼女を喜ばせようと奔走するゾルグ。
でもそれらは悪循環となりベティはさらに狂気にとりつかれていきます。
そしてベティを狂気の世界から解放するために
最後に下すゾルグの決断。
薄暗いブルーの部屋でのラストシーン、
二人が飼っていた白いネコの身体を借りて
ベティが尋ねる(とゾルグには思える)
「(小説を)書いていたの?」
「考えていたんだ。」
いつも交わしていた会話。
あまりに美しく心につきささるラストシーン。
私自身、本能は抑えこんでしまうタイプなので
あまりに本能むき出しのベティに
嫌悪感を覚え、そして羨ましくもありました。
身体的苦痛のシーンが苦手な人にはショックを受けるかもしれませんが
悲劇だったのか、否、そうではなかったのか、
劇中はパンクといいますか、ハチャメチャに見えても
観終わった後は不思議と静寂の中に沈み、
ブルーの情景と美しい音楽と共に
ずっとずっと余韻が残る映画です。