映画 デリカテッセン







デリカテッセン <デジタルニューマスター版> [DVD]







【DATA】
監督: ジャン=ピエール・ジュネ、マルク・キャロ
出演: ドミニク・ピノン(主人公の青年)
ジャン=クロード・ドレフュス(肉屋)
マリー=ロール・ドゥーニャ(肉屋の娘)
カリン・ヴィアール (肉屋の愛人)

【あらすじ】
核戦争後のパリ郊外。草も生えないような世界の中なぜか肉屋が。なんと肉屋に住み込みで働きにきた人達が犠牲になって出来た肉であった。ある日、いつもの様にひとりの青年が求人広告を見てやってくる。しかし、肉屋の娘が彼に恋をしたところから、物語は個性的なアパートの住人や謎の地底人をも巻き込み、ロマンティックでハラハラするドタバタ劇へ突入する。

【コメント】
ジャン=ピエール・ジュネ監督とマルク・キャロ監督コンビの
処女作にして珠玉な作品。
凄く珠玉。とかくだらないシャレを言っている場合ではなくて、、、
えー、、、ジャン=ピエール・ジュネ監督といえば
「アメリ」で超有名になりましたが
私に言わせれば「アメリ?ふふ~ん…。」

いや、「アメリ」もいいですよ、いいです。
ジャン=ピエール・ジュネ監督と知らなければ
普通に好きな映画になったかもしれません。
でも、その前の作品、当「デリカテッセン」、
それに続く「ロスト・チルドレン」を観てしまっていたら期待は膨らむもので、
それがどうして次に「アメリ」なの?普通の映画じゃぁないですか。
前作まで続いていたコンビ、
盟友マルク・キャロ監督が外れたことが要因だったのか…
それは定かではないですが、とにかくこの「デリカテッセン」は
私にとって大好きで大切な映画のひとつです。

あらすじとジャケットからして、
ホラーかスプラッターかと思ってしまいますが
ノンノン、これはまぎれもなく純愛映画です。

確かに、2シーンだけ、「キャッ!」という痛いシーンがありますが
ひとつはヒロインが見る悪夢の中の一瞬、
もうひとつは作品の中でいわゆる“悪者”である親父が死ぬシーンで
あとはそういうシーンはございません(敢えて映さないようにしています)。
逆にそういったグロテスクな環境であるからこそ
主人公の二人が恋しあうシーンが際立ってくるわけで。

そして登場人物がみんな変。
そこが当「デリカテッセン」のコメディ部分であるわけなのですが、
フランス映画はコメディが本当に上手。
アメリカコメディのように「AH-HA-HA-!」と、
笑わせようとするコメディではなく、
クスッと笑ってしまう細やかなコミカルさ、それが魅力です。

美青年と美少女の正統派恋愛映画を求めている人には向きませんが
とにかくこれだけは言っておきます。
「デリカテッセン」は変で可笑しくも美しく愛しい純愛映画です!

ちなみにDVDでは「ユニバーサル・セレクション版」と
「デジタルニューマスター版」が出ているようですが
「ユニバーサル・セレクション版」は翻訳がヒドイらしいので
お求めなら絶対「デジタルニューマスター版」をオススメします。